2022年春ドラマで話題の『やんごとなき一族』、主演は土屋太鳳さんと松下洸平さんです。
原作漫画は連載中ですが、ざっくりあらすじをまとめてみました。ドラマ版を視聴する前に興味がある方はどうぞ!
『やんごとなき一族』漫画原作のあらすじ
原作は2017年8月から講談社『Kiss』にて連載スタートしたこやまゆかり先生による同名漫画です。
健太を連れ戻すためだった
『やんごとなき一族』は現在も連載中です。4/13までで11巻(49話)発売されています。
ここからは漫画原作のネタバレがかなり含まれますのでご注意ください。
佐都と健太は駆け落ち同然で婚姻届を出してしまいました。深山家とは関係なく2人で生きていこうと思ったのですが、そんな折佐都は花見会で深山家の歪んだ実情を知ってしまいます。
健太が言葉とは裏腹にそんな家族に変わって欲しいと望んでいることを佐都は察し、2人で深山家に戻ることを決意しました。
深山家は大富豪というだけでなく歴史の教科書に載るほどの名家。母屋の隣に移り住んだ佐都は、早々に『嫁教育』を受けることになります。
ところが、健太の父親である圭一は健太さえ戻ってくればいいと思っていました。佐都だけ追い出そうと目論んでいます。
健太は次男で、成人してからしばらく家を離れていました。長男の明人がいるにもかかわらず圭一は健太を後継者にしようとしていたのです。
健太の憧れの女性が…
名家の嫁という立場は一般庶民では考えられないような理不尽なことのオンパレード!母親が入院しても婚家を優先するのは当たり前の世界でした。
深山家で佐都の味方は健太だけです。お姑の久美は友好的ですが圭一には逆らうことができません。他の家族は一般庶民である佐都のことを見下しています。
さらに長男の嫁の美保子は将来の社長夫人の座を渡してなるものかとあの手この手で佐都を追い出そうとするのです。
その一つの作戦に、健太のかつての想い人『泉』を深山不動産に就職した健太の秘書に推薦します。
上流社会では愛人を持つのは当たり前だと聞かされた佐都は心中穏やかなはずはありません。
大介とリツコ離婚騒動
佐都は上流社会ではみんなが『家』に縛られていることを痛感します。三男の大介とリツコも仮面夫婦でした。
でも本当はリツコは大介のことを愛していて、大介は尋常じゃない束縛に耐えられなくなっているというのが実情。
佐都はリツコと親交を深めるうちに彼女の苦悩を知り励ましますが、それが2人の離婚へと繋がってしまいました。
激怒した圭一はリツコとの実家と勧めていたプロジェクトの責任者から健太を外し、明人にそのあとを担当させます。
佐都は圭一に出て行けと言われますが、なんとか踏ん張ろうと思っていました。ところが健太が嘘をついて泉と一緒にいる場面に遭遇してしまいます。
本当に仕事だったのですが、佐都は心の支えがぽっきり折れてしまったように感じ、実家へと帰ってしまいました。
本格的な後継者争い勃発
佐都はどんなことをしても嫁として認めてはもらえないと諦め始めます。別れを切り出しますが健太はウンと言いません。
だからといって佐都を深山家に戻すわけにはいかないと思い悩む健太。いっそのこと深山家と縁を切ろうかと思い始めた時、圭一に先手を打たれます。
圭一は新会社の社長を明人に任せ、業績をあげたら後継者にすると宣言しました。明人は深山不動産を抜け新会社の専任となります。
結局健太は深山不動産を辞めることもできず、明人と後継者の座を争うことになってしまいました。
2人は別れを決意しますが、最後にと健太が連れて行ってくれたレストランで八寿子(健太の祖母)の話を聞き、佐都は再び深山家に戻る覚悟を決めます。
一度は嫁の仕事を放棄した佐都に家族はひどい態度をとりますが、あることがきっかけで八寿子の心を少し動かし、佐都は戻ってくることを許されました。
有沙の縁談と家出
健太は深山家を変えたいという意思を募らせています。そのためにも明人と美保子に実権を握らせるわけにはいかないのです。
佐都はそんな健太を懸命に支えようと努力を重ねます。それは少しずつ実り健太の仕事の助けになれたと有頂天になっていた矢先、またも問題が勃発…。
佐都の行動により有沙に縁談が持ち上がりました。その相手はどうみても有沙を幸せにしてくれるようには見えません。それに有沙には秘密の恋人がいたのです。
有沙は家出をしてしまいました。恋人の存在を知った健太と佐都は2人を応援しようと思いますが、美保子に出し抜かれすべておじゃんになってしまいます。
有沙もすべてを諦めたように縁談を受け入れるのでした。
圭一の攻撃は佐都の実家へ
圭一は佐都の実家である『まんぷく堂』に魔の手を伸ばしてきました。
商店街の近くにある深山不動産の所有する団地を更地にして、ショッピングセンターを建設すると言い出したのです。
商店街での良恵の立場は悪くなり、嫌がらせも受けるようになります。そんな中、有沙の婚約パーティーでお茶会を催すことになり、主催の美保子が良恵も招待するよう佐都に告げました。
お茶会は両家の一族が勢ぞろい。お茶の作法なんて良恵はさっぱりです。美保子は大勢の前で格の違いを見せつけようと目論んでいました。
ところが、良恵はうまくのりきってしまいます。相手を思いやる気持ちが自然とお茶の作法を引き出していたのです。
お茶会で暴露された美保子の秘密
このお茶会で美保子が万屋寿庵の実子でないことがバレてしまいます。
美保子は現在の女将の連れ子で、卑劣な手を使ってその地位を手に入れたことも暴露されてしまいました。
美保子は恵まれない幼少期を過ごし、上り詰めてやるという野心が原動力となっています。明人と結婚したのも深山家の跡取りだと思ったからです。
それが今は健太と佐都にその地位を脅かされています。明人は悔しがる美保子を見て、本気で後継者になろうと決意しました。
気丈に振る舞う美保子ですが、深山家の面々からの風当たりは強いものでした。美保子のことを気に入っていた春菜も掌返し。
実は誰よりも美保子親子のしたことに憤っていたのは春菜でした。春菜は子供の頃体が弱く、政略結婚のコマにならないという理由で冷遇されてきたのです。
春菜は舞台俳優の輝月ヤマトの谷町となることで鬱積した思いを解消していました。春菜の行動が一波乱起こすのですが悪いことばかりではありませんでした。
スパ計画と佐都の妊娠
春菜の思いつきで発した言葉が健太が携わっているリノベーション事業の大きなヒントとなります。
健太と佐都は、なんとかショッピングセンター建設を阻止しないと、まんぷく堂のある商店街が大打撃を受けてしまうから必死です。
温泉が出ることを知った健太はスパ施設を作ろうと張り切りますが、そこにはいくつかの問題が浮上します。
ちょうどその時、佐都の妊娠が判明して深山家での待遇も良くなり始めました。奥様候補としての教育も始まります。
佐都は改めて名家と言われる家での女性の苦悩を目のあたりにするのでした。
一方スパ建設は難航します。社内での反応もいまひとつ。深山不動産は役員を親族だけで固めているため、一般社員はやる気もない有様なのです。
健太はそんな会社も改革していく必要性を感じていました。佐都も健太の助けになりたいと張り切ります。
スパ計画が頓挫していた問題を誠意で解決した佐都。お腹の子も順調に成長し、上流社会の教養や知識を得ることにも真剣に取り組みます。
徐々に周りに認められていく佐都に、美保子は激しい憎悪を募らせました。
大介の決断とマダムキリコ
泉が健太に好意を持ち始めていることを察した美保子は、泉を使って健太と佐都の間に亀裂を入れ、佐都を追い出そうと目論みます。
その頃、健太と佐都の前に大介がひょっこり現れました。リツコと離婚してサロンを圭一にとられたにも関わらずお金遣いが荒いのは前のまま。
大介はお金の無心に来たのですが、健太は断ります。生活を改めて自分の力で頑張るよう諭しました。
大介は明人にも借金を申し入れます。明人と美保子は出張でパリにいました。そのときは断りますが、その後大介の人脈がどうしても必要になります。
ここでマダムキリコというキーマンが登場するのですが、大介は彼女のことを避けていました。
しかし、美保子は上手く言いくるめて大介を利用して目的を果たすことに成功します。大介は明人につくか健太につくか選択を迫られ、この時は明人たちについたのです。
泉の暴走
佐都はつわりが始まりしんどい日々が始まりました。その頃泉は仕事でミスをしてしまいひどく落ち込みます。
泉は実父から虐待とも取れる厳しいしつけを受けて育っていました。そのせいで、変に完璧主義になり実は自己肯定感が低かったのです。
健太はそんな泉に気づいていたのか、もっと自分を許せと慰めました。その言葉で泉の中でストッパーが外れてしまいます。健太を本気で欲しいと思ってしまいました。
大介はマダムキリコがパトロンになりサロン経営を再稼働させます。
明人たちがホテル事業のために大介を売るような真似をしたことが深山家に知られることになりますが、圭一はそれさえも手腕だと言ってのけました。
健太は明人に遅れを取ってしまったのでスパ計画に邁進します。行動を共にする泉は暴走を始め…。健太に告白してきて、佐都に対しても好戦的な態度を取るようになります。
圭一は佐都を追い出し泉を後釜に据えようと目論みますが、健太と佐都の絆を引き裂くことはできませんでした。
泉の父親は政治家でスパ事業に協力してもらうことになっていましたが、それも断られ健太は逆境に立たされます。そんな健太と佐都の救世主となったのがマダムキリコでした。
追い詰められた泉は健太と無理心中を図ります。幸い二人共命には別状なかったものの、健太は複雑骨折を負う重症でした。
このことが原因で泉の過去起こした事件が明るみになり、それをもみ消した父親も政治生命を絶たれます。失意の泉を慰め励ましたのは佐都の言葉でした。
佐都の出産
佐都はすっかりマダムキリコに気に入られ、ひょんなことからまんぷく堂のどて焼きをドバイに輸出する計画を持ちかけられます。
一方、佐都が少しずつ周りの人を味方につけていることを感じている美保子は危機感を募らせていました。どうしても子供を作らなければという思いから、明人に内緒で極秘に精子提供を受けてしまいます。
佐都のお腹の子は男の子だと言われていたので、深山家での待遇も段違い。直系の長男だけが使うという輪島塗のベビーベッドが運ばれてきました。
そして正月、家族が集まる中突然泉は産気付き病院へ。ところが生まれてきたのは女の子でした。
健太の決意
健太を始め、ほとんどの家族は佐都の労をねぎらいますが、圭一は孫の顔も見に来ません。退院の挨拶に言った時、美保子の妊娠を知らされます。
このときも、初内孫の凛のことより美保子のお腹の子が男子であることを期待する圭一。佐都は改めて深山家の嫁としては男子を産むことを課せられていると痛感しました。
健太の姉の聖花も婚家から男子をとプレッシャーをかけられています。佐都は聖花と一緒に産み分けに挑戦しますが、健太ともギクシャクしてしまい…。
凛のお宮参りで、母親は一緒に行けないことを知った佐都はショックを受けます。一旦は受け入れますがどうしても納得できず後を追いかけました。
健太も古い風習に疑問を感じていたので強行突破。圭一に時代に沿って変化が必要だと言い放ちました。
伸二郎と有沙が!?
2人の行動に触発された聖花は、離婚を覚悟で婚家を飛び出してしまいます。しかし夫の伸二郎は聖花のことを愛していたので初めて両親に反抗し、2人は元の鞘に収まりました。
ところが、親と聖花の板挟みになっていたたまれない思いを抱えていた伸二郎は、有沙と一夜の間違いをおかしていたのです。
偶然そのことを知った佐都は有沙と話をしました。有沙はもう終わったことだと割り切っていますが、有沙は佐都がきっかけになって望まぬ結婚をすることになっています。
その罪悪感をひしひしと感じる佐都。健太と一緒にこの悪習を断ち切っていくことがせめてもの罪滅ぼしだと決意を新たにしました。
そして有沙の婚約発表の日がやってきますが、その席で有沙は具合が悪くなり…。それに気づいた佐都は妊娠の可能性を疑うのでした。
ドラマ『やんごとなき一族』考察
漫画では、佐都は少しずつ周りの人に影響を与え、深山家の面々にも変化の兆しが見られます。
でも、肝心の圭一はというと1ミリも心を動かさることなく、益々佐都を追い出そうと攻撃の手を緩めません。
健太を後継者に据えたいという思いは変わっていないように感じますが、健太と佐都の出方次第で明人にあとを継がせる展開にもなりそう…?
佐都を排除したいという思いが圭一の次に強いのが美保子ですが、彼女の場合明人を後継者にしたいわけです。
結局、圭一の手の平で転がされているように見えますが、妊娠の経緯を知ったら圭一はどうするのか疑問が残ります。
ドラマでは原作漫画で描かれているエピソードをどのくらい入れるのでしょうか。聖花と春菜はドラマでは登場しないので、この2人の話はないですね。
今の段階では、結末をどう持っていくのか全く予想できません。健太は後継者になるのか?圭一は佐都を嫁と認めるのか?
嫁と認めるにはなにかきっかけとなるエピソードが必要になってくると思いますが、それはオリジナル脚本でしょう。