坂井恵理先生の同名マンガ「ヒヤマケンタロウの妊娠」を実写化した本作は、Netflixで2022年4月21日から配信スタートします。
漫画を読んで、非現実的だけど興味深いテーマだなーと思っていました。
「ヒヤマケンタロウの妊娠」のストーリー
男も妊娠・出産するようになった世界のお話しです。主人公桧山健太郎は高スペックのエリート。シングルを謳歌していました。
ところがある日妊娠したことが判明します。男に妊娠は可能ではあってもその確率は女性の10分の1。
妊娠した男性に対して世間はまだまだ偏見の目を向けます。健太郎も堕胎をするつもりだったのですが、自分の居場所を見つけるため出産を決意しました。
主要登場人物 | |
桧山健太郎 | 本作の主人公。独身エリートだかある日妊娠が判明。出産を決意する。 |
瀬戸亜季 | 健太郎のお腹の母親、子供嫌い |
川端みずき | 通勤電車で知り合った妊婦。二股をかけられている |
内海翼 | 通勤電車で健太郎を見かけた高校生。中絶手術を受けたばかり |
宮地紀子 | 主婦、二人目の子供を夫が妊娠中 |
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実写「ヒヤマケンタロウの妊娠」キャスト
Netflixシリーズ「ヒヤマケンタロウの妊娠」のキャストこちらです。
- 桧山健太郎―斎藤工
- 瀬戸亜季―上野樹里
健太郎の両親役は筒井真理子とリリー・フランキーです。原作では健太郎の父親は誕生前に亡くなっています。
リリー・フランキーが父親役ということで、ドラマオリジナルの展開がありそうですね。
また、健太郎の勤務先も設定が変更されています。原作では大手レストランチェーンですが、ドラマでは広告代理店です。
その他出演者―岩松了、高橋和也、宇野祥平、山田真歩、細川岳、前原滉、森優作、山本亜依、伊勢志摩、篠原ゆき子、橋本淳、小野ゆり子、木竜麻生、斉木しげる、根岸季衣
(敬称略)
原作「ヒヤマケンタロウの妊娠」の感想とドラマの考察
原作漫画は『BE・LOVE』(講談社)にて2012年17号より同年23号まで連載されていました。1巻完結で短編といえます。
(続編として『ヒヤマケンタロウの妊娠 育児編』が同誌2019年9月号より2020年10月号まで連載、2巻完結)
原作の感想
登場人物たちのそれぞれの心の揺らぎや葛藤の描写はあるけれど、比較的淡々と進んでいきます。
そのためスラスラと読めてしまいますが、リアルな社会の現状が描かれていて結局人間って当事者にならないとわからない…という展開が繰り返されます。
健太郎は妊夫になって、悪阻を理由に遅刻の連絡を入れてきた女性社員に対して無慈悲なことを言う部下を苦々しく思うのです。
他の登場人物にも同じことが言えます。夫婦で順番に妊娠した宮地夫妻もまさにそれ―。
原作は健太郎を中心にその周りの人たちのエピソードもオムニバスのようにそれぞれ描かれていて、いろんな立場から妊娠を捉えています。
それぞれ気付きがあるけれど、健太郎自身が妊夫になってみて初めてわかった(妊娠しなかったらわからなかった)と何度か吐露しています。
現在でも妊婦に対する変な思い込みや、子供の父親である夫ですらまるで他人事にような考えでいる人が少なくありません。
男が妊娠するという奇想天外な設定ではありますが、社会全体へのメッセージだと受け止めて、安心して妊娠出産ができる社会になって欲しいと思いました。
ドラマ考察
原作では健太郎は大手レストランチェーンの管理職という設定です。自らの妊娠を仕事に生かして妊夫や出産した男性が気軽に立ち寄れるカフェを立ち上げました。
ドラマでは広告代理店勤務だからこの設定はなくなるということでしょう。ただ、マスコミにカミングアウトして妊夫の知名度をあげようとする件はあると思います。
あとは、原作では出てこなかったリリー・フランキーさんですね!ここは完全オリジナルなのでどう描かれるのでしょうか。
テーマは社会派ですが、コメディ要素も強めな作品ということで今からとっても楽しみです。
予告編はこちらでご覧になれます⬇
まとめ
以前読んで面白いな、と思った漫画が実写化されると興味が湧きますよね。
『ヒヤマケンタロウの妊娠』は1巻完結という短い作品。健太郎や亜季が妊娠にどう向き合ってどう気持ちが変化していったのか、細部までは描かれていません。
大筋とキャラクターデザインは原作に添っていると思いますが、監督や脚本家、演者がどう世界観を表現してくれるのか楽しみです。